親知らずの抜歯後、「顔がパンパンに腫れるのでは…」と不安になる方は多いのではないでしょうか。実際、ほとんど腫れなかった人もいれば、数日間食事が辛かったという方もいるようです。腫れの程度には個人差があり、抜歯の方法や親知らずの状態も影響することがあります。
今回は、親知らず抜歯後に腫れやすい人の特徴、腫れが出るタイミングや続く期間、そして腫れを抑えるための対処法や注意点を解説します。
1. 親知らずを抜歯した後に腫れやすい人の特徴
実は、親知らずを抜歯したすべての人が腫れるわけではありません。実際には、抜歯の方法や親知らずの位置、そして個人の体質など、さまざまな要因が腫れに影響することがあります。ここからは、親知らず抜歯後に特に腫れやすい人の特徴について説明します。
①親知らずが骨の中に埋まっている場合
歯ぐきの下や顎の骨に深く埋まっている「埋伏歯(まいふくし)」を抜くときは、歯ぐきを切開して骨を削る外科的処置が必要です。そのため、腫れやすくなる傾向があります。
➁親知らずの位置が深く、抜くのに時間がかかった
抜歯に時間がかかるほど、歯や周囲の組織への負担が大きくなり、炎症反応として腫れが強く出ることがあります。
➂抜歯後の傷の治りが悪い
抜歯後にできる血の塊(血餅)がうまく形成されない場合や、強くうがいをしてしまうことで傷の治りが遅くなると、腫れや痛みが長引くことがあります。
④親知らずの周囲に炎症や感染がある
もともと親知らずの周囲に炎症や膿がある状態で抜歯すると、術後に腫れや痛みが強く出る傾向があります。
⑤免疫力が低下しているとき
風邪気味や寝不足、疲労がたまっている状態では、体の回復力が落ちて炎症が起こりやすくなります。その結果、腫れが強く出る可能性が高くなります。
一方で、比較的まっすぐ生えている親知らずを抜く場合は、処置が短時間で済み、腫れも少ない傾向があります。このように腫れには個人差がありますが、腫れやすいリスクが高い条件に当てはまる場合は、あらかじめ歯科医師から注意点や対処法をしっかり聞いておくことが大切です。
2. 親知らずを抜いた後に腫れるのはいつから?
腫れのピークや期間は、親知らず抜歯後の経過を理解するうえで重要なポイントです。一般的な経過を知っておくことで、不安を軽減できるかもしれません。ここからは、親知らず抜歯後の腫れの期間の目安について解説します。
①腫れのピークは2〜3日後
抜歯直後はあまり腫れが目立ちませんが、多くの場合、翌日から徐々に腫れ始め、2〜3日目に最も腫れが強くなる傾向があります。この時期には、頬がふくらんだり、口が開きづらくなることもあります。
②腫れが引き始めるのは4日目以降
腫れのピークを過ぎると、徐々に腫れはおさまっていくでしょう。一般的には4日目以降から腫れが引き始め、1週間ほどで見た目がほぼ元通りになることが多いです。
➂完全に落ち着くまでには1〜2週間
腫れが完全になくなるまでには個人差がありますが、軽度な違和感や皮膚の内出血が消えるまでには1〜2週間かかることもあります。
④症状が長引く場合は歯科医師へ相談
抜歯から1週間以上経っても腫れや痛みが強い場合は、感染やドライソケット(血餅が取れてしまい骨が露出している状態)などの合併症が疑われるため、歯科医師の診察を受けることが大切です。
⑤季節や体調によっても左右される
寒暖差が大きい時期や体調が優れないときは、腫れが長引きやすくなります。また、術後の過ごし方も腫れの程度に大きく影響することがあるため、注意が必要です。
腫れのピークや持続期間には一般的な目安がありますが、あくまで「目安」であって、すべての人に当てはまるわけではありません。不安がある場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。
3. 親知らずの腫れを早く抑えるには?対処法と注意点
親知らずを抜いた後の腫れを抑えるには、術後の過ごし方がとても重要です。適切なケアをすることで、腫れをできるだけ抑えられることが期待できます。ここからは、親知らず抜歯後の腫れを早く和らげるための対処法と注意点を解説します。
①過度なうがいや運動は避ける
強いうがいをすると、傷口にできた血の塊(血餅)が取れてしまい、感染やドライソケット(血餅が取れてしまい骨が露出している状態)を引き起こすことがあります。また、激しい運動や長時間の入浴は血流を増やし、腫れを悪化させることがあるため、術後2~3日は控えるようにしましょう。
②抗生物質・痛み止めの服用
処方された抗生物質や痛み止めは、指示通りにきちんと服用することで感染予防や炎症の抑制に役立ちます。自己判断で中止したり、飲み忘れたりしないように注意しましょう。
③食事内容に注意
術後すぐの食事は、硬いものや熱いもの、刺激の強いものを避け、ゼリーやスープなど柔らかくて冷たいものを中心に摂りましょう。また、抜歯した側で噛まないよう意識することも大切です。
④口腔内を清潔に保つ
抜歯した部位を傷つけないよう注意しながら、丁寧に歯磨きを行いましょう。うがい薬が処方された場合は、用法を守って使用することが大切です。
⑤顔のマッサージや温めは控える
腫れが残っている間は、顔のマッサージや温める行為は炎症を悪化させることがあるため控えましょう。炎症が落ち着くまでは、冷やすケアを優先してください。
腫れを完全に防ぐことは難しくても、術後のケア次第で腫れを軽減できる可能性があります。無理をせず、十分に体を休めることが、スムーズな回復につながるでしょう。
4. 名古屋市天白区の歯医者 すすむ歯科・矯正歯科の親知らず抜歯
名古屋市天白区の歯医者 すすむ歯科・矯正歯科では、名古屋大学医学部附属病院 歯科口腔外科出身の副院長が、痛みや腫れに配慮した親知らずの抜歯を行っています。
患者さんの身体的・精神的負担を最小限にすることを重視し、表情の変化や緊張の様子なども丁寧に観察しながら治療を進めています。
《すすむ歯科・矯正歯科が選ばれる理由》
①難しい親知らず抜歯にも対応可能
親知らずが歯肉や顎の骨に埋まっていたり、根の形が複雑で抜歯が難しいケースでも、当院では多くの症例に対応しています。
※CT撮影に基づいて慎重に診断し、リスクが高い場合は連携病院をご紹介いたします。
②複数本抜歯にも柔軟に対応
一般的に即日の親知らず抜歯は対応していない歯科医院も多いですが、当院では口腔内の状況やご希望をふまえた上で、即日抜歯が可能なケースもございます。
また、複数本の抜歯にも対応しているため、何度も通院せずにまとめて治療を受けたい方にもおすすめです。
※症例によっては、即日抜歯が行えない場合や専門機関をご紹介する場合もございます。
③身体への負担を減らす短時間抜歯
治療時間が短いほど術後の腫れや痛みのリスクは低くなります。
まっすぐ生えている親知らずであれば最短1分ほどで抜歯が終了することもあります。
症例によりますが、多くの場合、30分以内に処置が終了します。
全ての患者様に対して事前に十分なカウンセリングを行い、最適な治療法をご提案できるように心がけています。
親知らずの抜歯でお悩みの方は、すすむ歯科・矯正歯科へご相談ください。
まとめ
親知らずの抜歯後は、多くの人に腫れが起こる可能性がありますが、その程度や期間は抜歯の方法や体質、事前の準備によって大きく変わることがあります。特に、骨に埋まっている親知らずを抜く場合は腫れやすくなるため、術後の過ごし方やセルフケアが非常に重要です。安静、薬の服用などをしっかり行うことで、腫れを抑え、回復をスムーズに進めることができるでしょう。
名古屋市天白区周辺で親知らずの抜歯による腫れや対処法についてお悩みの方は、すすむ歯科・矯正歯科までお問い合わせください。
監修:すすむ歯科・矯正歯科
院長 近藤 崇伸
経歴
2002年 愛知県立瑞陵高等学校卒業
2009年 長崎大学歯学部 卒業
名古屋大学医学部歯科口腔外科 入局
2011年 医療法人ナディアパークデンタルクリニック 勤務
2013年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科歯科矯正分野 入局
2016年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 修了
長崎大学客員研究員・臨床承認医
すすむ歯科・矯正歯科勤務
名古屋、大阪、長崎の複数のクリニックにて矯正治療担当
副院長 近藤 康次
経歴
2009年 私立東海高等学校 卒業
2016年 鹿児島大学歯学部 卒業
名古屋大学医学部附属病院歯科口腔外科 入局
2018年 東海市開業医勤務
2020年 すすむ歯科・矯正歯科勤務