歯ぐきからの出血や口の中のネバつきが気になっている方は、もしかすると歯周病が進行しているかもしれません。
歯周病は、歯ぐきや歯を支える骨などの組織に炎症が起きる慢性的な病気で、日本の成人の多くがかかっているといわれています。初期は自覚症状がほとんどないため、放置されやすく、気づいたときには歯を支える骨が大きく破壊されていることもあります。近年では、歯周病が糖尿病や心臓病などの全身疾患と関係していることも明らかになっています。
今回は、歯周病の主な原因や初期の症状、そして全身への影響について解説します。
1. 歯周病の初期症状で起こる口の中の変化とは
歯周病の初期症状とは、歯周病は静かに進行するため、初期段階では症状に気づきにくいのが特徴です。以下のようなサインが見られたら、早めの対応が重要です。
①歯ぐきから出血する
歯磨きやフロスの使用時に歯ぐきから血が出るのは、歯周病の初期によく見られる症状です。痛みがないため放置されやすく注意が必要です。
➁歯ぐきが赤く腫れている
健康な歯ぐきは引き締まった薄いピンク色をしていますが、炎症があると赤く腫れた状態になります。押すと痛みや違和感を感じることもあります。
➂口臭が気になるようになる
歯周病が進行すると細菌の増加や炎症によって口臭が強くなります。本人は気づきにくく、周囲に指摘されて発覚するケースもあります。
④歯ぐきのむずがゆさ・違和感
何となく歯ぐきに違和感を感じる、ムズムズする、などの感覚は初期の炎症によるものかもしれません。痛みがないため見過ごされやすい点にも注意が必要です。
⑤歯と歯の間にものが挟まりやすくなる
歯ぐきの引き締まりが弱くなると、すき間ができて食べ物が詰まりやすくなります。これは歯周組織の変化が始まっているサインの可能性があります。
歯周病は初期の段階で適切に対処することで、進行を抑えられる可能性があります。日常の中でこれらの変化を感じたら、放置せずに歯医者で相談することが大切です。
2. 歯周病を引き起こす主な原因
歯周病は細菌によって引き起こされますが、原因は単純ではなく、日常の生活習慣や体質が複雑に関係しています。以下に、主な原因を整理します。
①歯垢(プラーク)の蓄積
歯の表面に付着した細菌のかたまりである歯垢は、歯ぐきに炎症を起こす主な原因です。除去されずに残ると歯石となり、さらに歯ぐきの炎症の悪化を招くことがあります。
②歯磨き不足・磨き残し
毎日の歯磨きで歯垢をしっかり取り除けていないと、歯周病のリスクが高まります。とくに奥歯の周囲や歯と歯の間などは歯ブラシが届きにくく、磨き残しによって歯ぐきの炎症が起こりやすいと言われています。
➂喫煙
たばこに含まれる成分は血流を悪化させ、歯ぐきの免疫機能を低下させます。喫煙者は歯周病の進行が早く、治療効果も出にくい傾向があります。
④ストレスや生活習慣の乱れ
ストレスは免疫力を低下させ、歯周病に対する抵抗力も弱まります。睡眠不足や偏った食事も間接的に歯ぐきの健康を損なう要因となります。
⑤噛み合わせや歯並びの問題
噛み合わせが悪いと、特定の歯や歯ぐきに過剰な力がかかり、炎症が起こりやすくなることがあります。歯並びが悪いと歯ブラシが届きにくく、清掃がしにくい傾向があります。
歯周病の原因は一つではなく、いくつもの要素が重なって発症・進行していきます。日常生活の中にリスクが潜んでいることを意識して、予防に取り組むことが大切です。
3. 歯周病が全身に及ぼす影響
歯周病は口の中の病気と思われがちですが、実は全身の健康にも深く関わっていることが分かっています。近年では、全身疾患との関連が医学的にも明らかになってきました。
①糖尿病との相互関係
歯周病があると血糖値のコントロールが難しくなり、糖尿病が悪化しやすくなります。糖尿病があると免疫力が低下し、歯周病が進行しやすくなるため、双方が影響し合う関係です。
②心疾患や脳梗塞のリスク
歯周病の炎症によって生じる物質が血管に悪影響を与えることで、動脈硬化を進行させる可能性があります。これにより、心疾患や脳血管疾患との関係が示唆されており、注意が必要です。
③妊娠中の影響
妊婦が歯周病を抱えていると、低体重児や早産のリスクが高まることがあると報告されています。妊娠中の口腔ケアは非常に重要です。
④誤嚥性肺炎との関係
高齢者では、口腔内の細菌が誤って気管に入ることで肺炎を引き起こすことがあります。歯周病のケアは、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。
⑤関節炎や腎臓病への関与
慢性的な炎症が全身に悪影響を及ぼすことで、関節や腎臓に影響を与えることもあります。持病の悪化を防ぐうえでも口腔管理は欠かせません。
歯周病は、単なる口の中の問題ではなく、全身の健康状態にも深く関係している病気です。定期的な予防や治療によって、体全体の健康を守ることができます。
4. 名古屋市天白区の歯医者 すすむ歯科・矯正歯科の歯周病治療
名古屋市天白区の歯医者 すすむ歯科・矯正歯科では、歯周病治療に注力し、歯肉の炎症や歯のぐらつきなど、軽度から重度まで幅広い症状に対応しています。
2025年9月には重度の歯周病にも非外科的にアプローチできる医療機器「ブルーラジカル P-01」を導入しました。
「歯肉を切らないと治らない」「治療しているのに腫れや膿が続く」といったお悩みをお持ちの方に対応しています。(自由診療)
歯周病は40歳以上の日本人の多くにみられ、進行すると歯を失う原因にもつながる病気です。
当院では、歯周病の早期発見・進行抑制・予防を大切にし、患者さんの大切な歯を少しでも長く保てるようサポートしています。
《当院の歯周病治療の特徴》
歯周病治療の特徴① 初期から重度まで幅広く対応
歯肉炎の段階から、骨の吸収が進んだ中等度・重度の歯周病まで幅広く診療しています。
必要に応じて、外科的な処置や再生療法、ブルーラジカル P-10を用いて治療(自由診療)を行うこともあります。
歯周病治療の特徴② 丁寧なカウンセリングと検査
歯周ポケットの深さやレントゲン画像をもとに正確な診断を行い、患者さんに分かりやすく説明します。
ご自身の状態を理解いただくことが、治療を始めるうえで大切と考えています。
歯周病治療の特徴③ 歯石除去・クリーニングによる原因除去
歯周病の原因となる歯石やプラークを、専用の器具を用いて丁寧に取り除きます。
定期的なクリーニングを続けることで、歯周病の進行を抑えやすくなります。
歯周病治療の特徴④ ブルーラジカルP-10を用いた非外科的処置への対応(自由診療)
ブルーラジカル P-01は、東北大学が開発し、厚生労働省により認可された世界初の非外科的歯周病治療機器です。
「歯肉を切らないと治らない」「治療しているのに腫れや膿が続く」といったお悩みをお持ちの方に活用しています。
歯周病治療の特徴⑤ メンテナンスと予防管理
治療後も再発を防ぐために、継続的なメンテナンスを行います。
歯周病は一度進むと元通りに戻すのは難しい病気だからこそ、定期検診と毎日のセルフケアが重要です。
すすむ歯科・矯正歯科では、患者さん一人ひとりに合わせた歯周病治療と予防プランをご提案しています。
歯ぐきの腫れや出血、口臭、歯のぐらつきなどが気になる方は、名古屋市天白区のすすむ歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。
▼歯周病治療の詳細はこちら
▼ブルーラジカルの詳細はこちら
まとめ
歯周病は、歯ぐきの炎症から始まり、歯を支える骨にまで影響を及ぼす慢性疾患です。初期症状が少ないため見逃されやすいものの、進行すると歯の喪失だけでなく、糖尿病や心疾患などの全身疾患とも関係してくることがわかっています。歯垢や歯石、生活習慣などが複合的に関係するため、日々のケアと定期的な検診が重要です。
名古屋市天白区周辺で歯周病にお悩みの方は、すすむ歯科・矯正歯科クリニックまでお問い合わせください。
監修:すすむ歯科・矯正歯科
院長 近藤 崇伸
経歴
2002年 愛知県立瑞陵高等学校卒業
2009年 長崎大学歯学部 卒業
名古屋大学医学部歯科口腔外科 入局
2011年 医療法人ナディアパークデンタルクリニック 勤務
2013年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科歯科矯正分野 入局
2016年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 修了
長崎大学客員研究員・臨床承認医
すすむ歯科・矯正歯科勤務
名古屋、大阪、長崎の複数のクリニックにて矯正治療担当
副院長 近藤 康次
経歴
2009年 私立東海高等学校 卒業
2016年 鹿児島大学歯学部 卒業
名古屋大学医学部附属病院歯科口腔外科 入局
2018年 東海市開業医勤務
2020年 すすむ歯科・矯正歯科勤務