| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療内容 | 部分矯正(インビザライン)、ホワイトニング、セラミック治療 |
| 年齢 | 46歳 |
| 性別 | 男性 |
| 期間 | 1年半 |
| 費用(税込) | 675,500円+ホワイトニング費用 内訳 ・検査診断 5,500円 ・精密検査 55,000円 ・インビザライン 495,000円 ・オールセラミック(e-max)120,000円 |
| リスク・副作用 | ・矯正治療中の歯の移動に伴う痛みや違和感 ・リテーナー(保定装置)の装着を怠ると後戻りする可能性がある |
1. 患者さんのご紹介(主訴・お悩み)
今回の患者さんは、46歳の男性です。
インターネットで当院の情報を調べてご来院されました。
運送関係の仕事をしておられ、以前から歯の見た目を気にしていたものの、これまで歯科治療に集中して取り組む機会がなかなか得られなかったとのお話を伺いました。
主なお悩みは、上の前歯の歯並び(ガタガタ)と歯の色味です。
特に、10年以上前に入れた左上1番の前装冠(金属にプラスチックを貼り付けた被せ物)が変色していることや、歯ぐきと被せ物の境目が目立ってきたことを気にされていました。
また、奥歯に欠損箇所もありましたが、まず目立つ前歯をきれいに整えたいというご希望がありました。
2. ご来院時の状態と診断
お口の中を拝見したところ、前歯の歯並びが乱れている「叢生(そうせい)」の状態が確認されました。
患者さんは、期間や費用の負担を考慮して部分矯正を強く希望されていました。
当院では部分矯正が可能かどうかの判断基準を明確に設けています。
上下の噛み合わせが極端に深い「過蓋咬合」の方や、奥歯の噛み合わせが大きくずれている方の場合は、前歯だけを動かすと噛み合わせ全体のバランスを崩す恐れがあるため、全顎矯正をご提案することが一般的です。
しかし、今回の患者さんの場合は、臼歯部(奥歯)の噛み合わせに大きな問題がなく、部分的な移動のみで審美性と機能性の改善が見込めると判断し、上顎のみの部分矯正(インビザライン矯正)を行う診断となりました。
歯が顎の骨に並びきらず、重なり合って生えている状態のことです。「乱ぐい歯」や「八重歯」とも呼ばれます。歯ブラシが届きにくいため、むし歯や歯周病のリスクが高まる傾向にあります。

3. 治療計画
患者さんの「前歯をきれいにしたい」というご要望に沿うため、矯正・ホワイトニング・補綴(被せ物)を組み合わせた総合的な治療計画を立案しました。
①矯正治療の診査診断
デジタルレントゲンや口腔内写真を用いて、現在の歯の状態を分析します。
②精密検査
インビザライン治療に必要なデジタルスキャンを行い、歯の動きをコンピュータ上でシミュレーションします。
③インビザライン矯正による部分矯正
マウスピース型の矯正装置を用いて、前歯のガタガタ(捻転など)を整えていきます。
④ホワイトニング
歯並びが整った段階で、歯の色を明るくするためにホームホワイトニングを実施します。
⑤むし歯治療および被せ物(セラミック)治療
矯正によってスペースを整えた後、適合の悪くなった古い被せ物をセラミックへ交換し、隣接するむし歯(CR充填)も処置します。
透明で目立ちにくいマウスピース型の矯正装置です。ご自身で取り外しができるため、食事や歯磨きを普段通り行えるのが大きな特徴です。段階的に新しいマウスピースに交換することで、少しずつ歯を動かしていきます。
4. 治療時
矯正治療の中心となる期間中も、患者さんはトラックの運転業務を続けておられました。マウスピース型の矯正装置は取り外しが可能で、日常の生活スタイルを大きく変えずに使用できるため、無理のない範囲で治療を継続されていました。
①矯正期間と歯の動きの微調整
約1年間の治療期間において、当初の計画通りに歯が動いているか定期的にチェックを行いました。途中で「追加マウスピース」を製作し、前歯の捻れをより理想的な角度へ追い込む微調整を行っています。
矯正治療終了後の写真

②セラミックの色合わせを見据えたホワイトニング
矯正後にホームホワイトニングを開始しました。これは単に歯を白くするだけでなく、最終的に入れるセラミックの被せ物が周囲と馴染むよう、土台となる天然歯のトーンを整える重要な工程です。
③補綴治療とむし歯処置
左上1番を「e-max」という高強度のセラミックに交換しました。また、矯正で歯の重なりが解消されたことで、隠れていた左上2番のむし歯が明確になったため、こちらはCR充填(白いプラスチック)にて処置しました。左上2番のセラミック化も検討されましたが、ご予算に合わせ、現時点では保険診療の範囲内で治療を行っています。
ホワイトニング・セラミック・虫歯治療終了後

ニケイ酸リチウムガラスセラミックスを用いた、高い透明感と強度を兼ね備えたセラミック素材です。天然歯に近い光の透過性があるため、前歯のような見た目が重要な部位に適しています。
5. 治療後・予後

治療を終えた結果、気になっていた前歯のガタガタが解消され、色味も全体的にトーンアップしたことで、お顔全体の印象が明るく見えるようになりました。
患者さんからも「全体的にとてもきれいになって満足しています」とのお言葉をいただき、当初は予定していなかった下顎のホワイトニングについても、今後前向きに検討したいとお話しされていました。
治療後は、整った歯並びが後戻りしないように、夜間を中心にリテーナー(保定装置)を装着していただいています。今後は、定期的なメンテナンスを通じて、新しく入れたセラミックの状態や、奥歯の欠損部位の経過を慎重に見守っていく予定です。
歯並びの乱れや、昔入れた被せ物の変色でお悩みの方は多くいらっしゃいます。
当院では、矯正だけでなく審美歯科を組み合わせた治療のご提案も行っています。お悩みの方はぜひ一度当院へご相談ください。
監修:すすむ歯科・矯正歯科
院長 近藤 崇伸
経歴
2002年 愛知県立瑞陵高等学校卒業
2009年 長崎大学歯学部 卒業
名古屋大学医学部歯科口腔外科 入局
2011年 医療法人ナディアパークデンタルクリニック 勤務
2013年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科歯科矯正分野 入局
2016年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 修了
長崎大学客員研究員・臨床承認医
すすむ歯科・矯正歯科勤務
名古屋、大阪、長崎の複数のクリニックにて矯正治療担当
副院長 近藤 康次
経歴
2009年 私立東海高等学校 卒業
2016年 鹿児島大学歯学部 卒業
名古屋大学医学部附属病院歯科口腔外科 入局
2018年 東海市開業医勤務
2020年 すすむ歯科・矯正歯科勤務