成人矯正
大人の矯正について
矯正治療は人生を豊かにする治療です。
大人は矯正治療ができないと思っていませんか?
子供からの治療が有効なことは事実ですが、成人してからでも問題ありません。歯と歯茎が健康であれば、何歳からでも矯正治療は可能です。私の患者さんでは、80代の方もいらっしゃいました。
歯並びを整えることによって、見た目をキレイにしたり歯の寿命を延ばすことができます。一生自分の歯で噛めることは大きな幸せです。
また、美しい口元は第一印象を良くし、人とのコミュニケーションをスムーズにさせるためにも重要であると私たちは考えています。人前で口元を気にすることなく話し、笑うことは心の幸せにもつながります。
当院では、咬み合わせはもちろん、唇や横顔のラインの美しさまで考えた矯正治療を心がけています。
矯正治療の目的は「美しい口元を作る」「歯の寿命を延ばすこと」だと考えています。矯正治療中の痛みや見た目を改善するため、歯の移動量を緻密にコントロールし、マウスピース矯正、舌側矯正、目立たない矯正など痛みや見た目にも負担の少ない矯正治療を提案します。
現在でも矯正治療の技術は進化を続けており、より痛みの少なく負担の少ない方法の研究が進められています。当院では常に最新の情報を収集し、積極的に取り入れております。
患者様自身が納得し、了承してから治療することが大切です。
わからないこと・気になることは何度でもご相談下さい。
ワイヤー矯正について
ワイヤー矯正は最も適応範囲が広く、あらゆる歯並びの治療が可能です。予算を抑え、できるだけ目立たない矯正治療をしたい方に最適です。
大人の矯正治療では、長い間歯並びを気にしていたがなかなか治療に踏み切れなかったという方がとても多いのが現状です。
目立たない矯正について
ワイヤー矯正で白い目立たない装置を使用する方法は、あらゆるケースで治療が可能です。
従来の矯正装置は金属製であったため、装置が目立つことが気になって矯正治療に踏み切れないというのが多くの方の悩みでした。
当院では、見た目にこだわった装置を導入しています。ワイヤー矯正装置は全て「クリアブラケット」を使用し、表側のワイヤー矯正であっても、ホワイトブラケットやホワイトワイヤーといった目立たない矯正治療が可能です。
欧米や東南アジアなどの海外では、矯正装置を使用していることはステータスになっています。是非、日本でも矯正治療を楽しみながら続けて欲しいと思います。
目立たない矯正で使用する装置
1、クリアブラケット
2、ホワイトワイヤー
目立たない矯正の治療期間
全体矯正で2〜3年程度、部分矯正で半年〜1年程度、通院回収は12回〜25回程度になります。
対応可能なその他矯正治療
舌側矯正
ワイヤー矯正の装置を歯の裏側に固定する方法です。
矯正装置が見えるのに抵抗がある方におすすめです。また、虫歯になりにくいという利点もあります。
マウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)
歯に固定させるワイヤーやブラケットを使わず、取り外しができるマウスピース型の装置で歯を動かす矯正法です。
当院では、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)を推奨しております。
部分矯正
当院では、前歯の気になる箇所だけを部分的に治療することも可能ですが、適応できる範囲が限られる場合があります。
お気軽にご相談ください。
子供の矯正治療との違い
子供の矯正と大人の矯正で大きく異なるのは、顎の大きさや上下の顎の位置の改善を行うかどうかという点です。
矯正治療は何歳であっても遅すぎるということはなく、患者さんの状況に応じた適切な治療計画を立案いたします。
子供の矯正治療では、顎の成長を利用して顎の位置を整えたり永久歯が並ぶスペースを拡大したりといった骨格的な改善をしていきます。
それに対し、大人の矯正治療では、成長が止まった後の治療であるため顎の成長を誘導したり拡大したりといった処置はできません。そのため、患者さんの骨格に合わせて歯の位置を動かすことになります。
実際にみなさん以下のようなお悩みで来院されます。
・自分の口元が気になり、笑う時は手で口元を隠している。
・昔から歯並びが気になっていたが、目立つワイヤーの装置が嫌で治療に踏み切れずにいた。
・鏡を見るたびに自分の歯並びが気になっていた。
・矯正治療は子供がするものだと思っていた。
・他院の矯正相談に行ったら、来るのが遅すぎると言われた。
抜歯と非抜歯について
大人の矯正で抜歯が必要なケースは、歯が並ぶ骨のスペースが小さいにも関わらず歯並びのガタガタが大きな場合となります。
歯を抜かなければならない原因は、あごが小さい、前歯を奥に引っ込めたい、歯が大きくきれいに並べるスペースが足りないというケースです。
そのような場合、以下のような治療法によっては非抜歯での矯正が可能です。
当院の矯正治療は、できるだけ歯を抜かない治療法をご提案させて頂いております。
非抜歯矯正テクニック
歯列全体を拡大する方法
歯列全体を少しずつ広げ、歯並びを改善します。
臼歯を後方に移動させる方法
マウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)やカリエール、矯正用アンカースクリューなどの装置を用いて臼歯を少しずつ後方へ移動させ、スペースを確保して歯並びを改善します。
歯と歯の間にスライスを入れる方法
歯の表面には、エナメル質という非常に硬い層があります。その一部を少しずつスライスしスペースを確保します。スライス量は 0.25~0.5mmと微量であり、とても 繊細な処置が要求される治療です。スライスによって歯がしみたり、虫歯になりやすくなるということは全くありません。
※当院が使用するマウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)は、日本国内の医薬品医療機器等法(薬機法)における医療機器および歯科技工士法上の矯正装置に該当しません。日本薬機法上の医療機器として認証・承認を得ていない装置であるため、担当歯科医師の全責任において治療が行われます。
歯並びの乱れによる
身体のトラブル
1. 咀嚼機能障害
食事をするために咀嚼するということは、人間が生きていくうえで必要な基本的機能です。 不正咬合で噛み合わせが悪いと、咀嚼機能が十分に営めません。
不正咬合のなかでも、下顎前突、開咬では特に咀嚼機能が低下します。
2. 発音障害
不正咬合によって、正常な発音ができない場合があります。
例えば、上下顎の前歯がうま く咬み合わなかったり、上下顎の前歯部の間にすき間がある場合には、サ行の発音がうまくできません。
また、強度の上顎前突、下顎前突では唇を閉じることが難しいため、p、b、mの発音がしにくくなります。
さらに強度の下顎前突では、f、vといった音の発音に障害がみられます。
3. 顎骨の発育に及ぼす障害
顎骨の発育は、遺伝的要因・環境的要因の影響を受けます。不正咬合は、環境的要因に影響を及ぼすことがあります。
たとえば、前歯部の噛み合わせが深い過蓋咬合では、下顎の前方成長を抑えてしまう可能性があります。
4. 虫歯発生の誘因
歯並びが悪いと食物が歯間に溜まりやすくなるとともに、顎の動きで自然に除去されることもなくなります。
また、歯ブラシによっても食物は除去されにくい環境になります。
すなわち、不正咬合によってプラークコントロールがしにくくなり、虫歯になりやすくなります。
5. 歯周病の誘因
虫歯発生の誘因の場合と同様に、歯間に溜まった食物は歯肉炎を引き起こします。
また、不正咬合により、歯に加わる力のアンバランスが生じて歯槽骨の吸収が起こることがあります。
6. 傷の誘因
不正咬合により歯列から外れている歯があると、軽い打撲によっても唇や頬に怪我をすることがあります。
また、上顎の前歯が前方へ突出している場合には、衝突により上顎の前歯が破切することが多くなります。
7. 詰めものや被せものを困難にする
歯科治療を必要とする場合、歯が傾斜していたり、歯列から外れている場合があると理想的な治療が困難になる場合があります。
8. 顎関節症の誘因
顎関節は、上下顎を噛み合わせた場合にも、下顎の安静時にもバランスの取れた位置にあることが理想です。
しかし、不正咬合によって咬合時に顎が側方へ偏位したり、噛み合わせが深い場合には、このバランスがくずれて顎関節症を誘発することがあります。
治療中の注意点
矯正中は砂糖の摂取をできるだけ控え、正しいブラッシングを行うことが大切です。
治療中、大切な歯が虫歯になってしまうと一旦矯正治療を中断しなければならない場合もあります。矯正中は、装置に合わせた歯ブラシやワンタフトブラシなどで、より丁寧にブラッシングするように心掛けましょう。
矯正中に虫歯にならないために重要なこと
虫歯の原因は砂糖です。矯正中は甘いものはできるだけ控えた方が良いでしょう。また、甘いものを食べた後は水で口をゆすぐ習慣をつけ、早めに歯を磨くようにしましょう。
粘着性で甘いもの(ガム、キャラメル、ハイチュウ、チョコレート)は虫歯の原因になりますので、できるだけ控えてください。
ワイヤー矯正の場合
ワイヤー矯正の患者さんは硬いもの(アイス、せんべい、フランスパン、あめ、ステーキ)、繊維の多いもの(生野菜、サラダ)は装置が壊れたり外れる原因となります。無理に控える必要はありませんが、小さく切って食べる、野菜はゆがいて食べるなどの注意が必要です。
マウスピースの場合
マウスピースタイプの場合は特に食事制限はありませんが、食事やジュースなどの砂糖の含まれた飲み物を摂取した後は必ずブラッシングをしてからマウスピースを装着して下さい。
クリーニングについて
矯正治療中の調整に来られた時は、必ず専門の器材を用いてクリーニングを行います。また、必要に応じて、歯科衛生士によるPMTCという専門のクリーニングとブラッシング指導・食生活指導を行います。
矯正歯科治療に伴う一般的な
リスクや副作用について
① 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
② 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
③ 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
⑧ 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
⑩ 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
⑫ 矯正装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
⑭ 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
⑮ 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
⑯ あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
⑱ 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
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