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睡眠時無呼吸症候群症例

【睡眠歯科症例】30代 女性「就寝時のいびきを治したい」 睡眠時無呼吸症候群のスリープスプリント治療

項目 内容
治療内容 スリープスプリント治療
年齢 30代
性別 女性
期間 約1か月
費用(税込) 165,000円
リスク・副作用 装置装着時の違和感や、顎関節の違和感・痛みが生じることがあります。

1. 患者さんのご紹介(主訴・お悩み)

30代女性の患者さんです。就寝時のいびきにご自身でも気づいており、ご家族からも指摘されることに悩まれていました。

また、朝起きたときに「よく眠れた感じがしない」、十分に寝たつもりでも日中にだるさや倦怠感が残る、といった症状もありました。

さらに、旅行や出張などで誰かと一緒に宿泊する際に、「自分のいびきで相手に迷惑をかけてしまうのではないか」という不安を抱えて来院されました。

 

2. ご来院時の状態と診断

患者さんは、ご家族からいびきを指摘されたことや、日頃から眠りが浅いと感じていたことをきっかけに、耳鼻咽喉科を受診されました。ご自宅で簡易検査キットを使って睡眠中の状態を測定した結果、耳鼻咽喉科で「軽度の睡眠時無呼吸症候群」と診断され、当院へ紹介されました。
お口の中を確認したところ、スリープスプリントの製作は可能な状態でした。ただし、装置を長期間安定して使用していただくためには、事前にお口の中の環境を整える必要がありました。

【コラム】睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠中に何度も呼吸が止まったり、呼吸が浅くなったりする病気です。空気の通り道である気道が狭くなることで起こり、いびきや日中の強い眠気、倦怠感などの原因になることがあります。
【コラム】スリープスプリントとは

睡眠時無呼吸症候群やいびきの治療に用いられる就寝用のマウスピースです。下顎を上顎よりも少し前に出した状態で固定(または誘導)することで気道を広げ、睡眠中の呼吸をしやすくすることを目的とした装置です。

 

3. 治療の流れ

耳鼻咽喉科での診断をもとに、自費のスリープスプリント(ASOインターナショナル社製)を製作し、就寝時に装着していただく計画を立てました。

① 耳鼻咽喉科での診断内容を確認
まず、耳鼻咽喉科で受けた診断内容を確認しました。
患者さんは、軽度の睡眠時無呼吸症候群と診断されていたため、歯科でスリープスプリントを製作し、就寝時に使用していただく方針としました。

② むし歯・歯周病の検査と基本治療
スリープスプリントは歯に合わせて製作する装置のため、製作後に歯の形が変わったり、歯が動いたりすると、装置が合わなくなることがあります。
そのため、型取りの前にレントゲン撮影を行い、むし歯や歯周病の有無を確認しました。必要に応じて、お口全体の歯石取りやクリーニング、基本治療を行い、装置を安定して使用しやすい口腔内環境に整えました。

③ 口腔内スキャナーによる型取り
お口の状態が整った段階で、口腔内スキャナーを用いて型取りを行いました。

従来のように、粘土のような型取り材をお口に入れる必要がなく、小型カメラでお口の中をスキャンして歯列のデータを取得します。そのため、嘔吐反射が出やすい方でも、比較的負担を抑えて型取りを進めやすい方法です。
取得したデジタルデータは専門の技工所へ送信し、患者さんのお口に合わせたスリープスプリントの製作に使用しました。

④ スリープスプリントの製作
型取り後、ASOインターナショナル社製の自費のスリープスプリントを製作しました。
製作には、約1か月の期間を要します。

⑤ 装着・調整
完成後は、実際に装着していただき、フィット感や違和感、顎の位置、ゴムの強さなどを確認しました。


【コラム】口腔内スキャナーとは

お口の中を小型カメラでスキャンし、コンピュータ上で立体的なデジタルデータを作成する装置です。従来の型取りに比べて不快感を抑えやすく、比較的短時間でデータを取得できます。

 

4. 治療のポイント

当院のスリープスプリント治療の特徴

① 装置を長く使うために、製作前の基本治療を重視
当院では、スリープスプリントを製作する前に、むし歯・歯周病の検査やクリーニングを行います。むし歯治療で歯の形が変わったり、歯周病で歯が動いたりすると、せっかく製作した装置が合わなくなる可能性があります。そのため、できるだけ良いお口の状態に整えてから型取りを行うことで、長期的に装置を安定して使用しやすい状態を目指します。

② 上下分離型の薄型スプリントで違和感に配慮
スリープスプリントには、上下が一体化したタイプや分離したタイプなど、複数の種類があります。上下が一体化したタイプの場合、装着時に顎の動かしにくさや喉の違和感、顎関節の負担を感じる方もいます。 装着感には個人差があるため、患者さんのお口の状態や使用感を確認しながら、適した装置を検討することが大切です。

今回使用した自費のスリープスプリントは、上下が分離した薄型の構造で、違和感や負担に配慮した設計です。

③ 患者さんに合わせた段階的な調整
スリープスプリントは、製作して終わりではありません。
実際に装着した際の感覚や顎の位置を確認しながら、患者さんに合わせて調整していくことが大切です。

下顎を前方へ誘導するゴムの強さを調整し、マウスピースの固定感も確認しながら、できるだけ無理なく使い続けられる状態を目指します。

 

5. 治療後・予後

口腔内スキャナーによる型取りを行い、約1か月後にスリープスプリントが完成しました。
患者さんからは、装着を始めた初日の夜から問題なく使用でき、「朝のすっきり感が以前と違うように感じる」「日中の倦怠感や寝不足感が軽くなったように感じる」といったお声をいただいています。さらに、出張や友人との旅行の際にも「これで同じ部屋で眠れる」と感じられるようになり、精神的な負担も軽くなったと感じられているとのことです。 (※装着感や実感には個人差があります。)
今後は、定期的なメインテナンスを通して、お口の状態や装置の適合を確認していきます。
当院では、患者さん一人ひとりのお悩みに合わせて、検査と治療を行っています。就寝時のいびきや睡眠中の呼吸にお悩みの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。

 

監修:すすむ歯科・矯正歯科
院長 近藤 崇伸
経歴
2002年 愛知県立瑞陵高等学校卒業
2009年 長崎大学歯学部 卒業
名古屋大学医学部歯科口腔外科 入局
2011年 医療法人ナディアパークデンタルクリニック 勤務
2013年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科歯科矯正分野 入局
2016年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 修了
長崎大学客員研究員・臨床承認医
すすむ歯科・矯正歯科勤務
名古屋、大阪、長崎の複数のクリニックにて矯正治療担当

副院長 近藤 康次
経歴
2009年 私立東海高等学校 卒業
2016年 鹿児島大学歯学部 卒業
名古屋大学医学部附属病院歯科口腔外科 入局
2018年 東海市開業医勤務
2020年 すすむ歯科・矯正歯科勤務